L-Triangle!3-1
- 2014/04/12
- 00:43
天界は、空のどこかに存在し、高いところから人間や悪魔を見下しているのだと、ある世界の地獄の王は語った。自分のところも似たようなものだと、他の世界の地獄の王も同意した。どうやら、天界の位置に関しては、どこの世界も大して変わらぬものらしい。雲とともに飛行しながら、ルシファーその1……略して1はそんなことを思い出す。そして、天界に住む天使たちもまた、他の世界と同様にいけ好かないやつらに決まっているのだ。そ...
L-Triangle!3-2
- 2014/04/14
- 00:05
1とともに次元を抜けた1ミカの視界に入ってきたのは、見慣れない一室だった。「こ、ここは……?」「俺様の部屋だ」1の言葉に、1ミカは周囲を見渡す。豪華そうな内装の広い部屋だが、絨毯にダンベルを初めとするトレーニング器具がごろごろと転がっている。天蓋つきの大きなベッドが目に入り、1ミカは赤面した。「あ、あの、わたくし、その、こころの、準備が」「バカ。何を勘違いしてやがる」1ミカが何を言わんとしているかを...
L-Triangle!3-3
- 2014/04/16
- 00:00
翌日から、1ミカはリリスにより地獄の世情について学ぶこととなった。ついでだからと同席させられた1は、途中で内容についていけずにギブアップし、早々に逃げ出した。職場兼自宅である高層ビル・『赤龍』の周りをしばし飛んで、屋上に着地する。「……はー……ったく、冗談じゃねえ」うんざりしたように、1は空を見上げる。今日も、地獄の空は赤い。いや、正確には、赤と紫が入り混じった、幻想的な色合いだ。このところ、自分以外...
L-Triangle!3-4
- 2014/04/18
- 00:06
短い会談の後、天界の使者たちは翌日に1ミカを迎えに来ると言い残して、退室した。天界の使者たちが去り、緊張が抜けたのか、1ミカは重いため息を吐く。「ルシファー殿……わたくしをすぐに引き渡さなかったこと、感謝する」「まあ、お前にも色々と事情があるみてえだからな」礼を言われ、1は軽く首を振った。彼としては、助けてやったつもりはない。今後どうするかは、彼女次第だ。「話せよ。メタトロンってのと、どういう関係だ...
L-Triangle!3-5
- 2014/04/20
- 00:07
そして翌日、赤龍の応接間に、カマエルたち天界の使者が再び通された。「ルシファー殿、考えはまとまりましたか?」「ああ」ソファーに腰掛け優雅に尋ねてくるカマエルに、1は頷く。リリスと1ミカを左右に従え、彼は傲然とした態度で告げた。「メタトロンに伝えろ。てめえの女を返してほしけりゃ、力ずくで奪いに来いってな」「それは……天界と戦争をする、ということですか」カマエルが、険しい表情で1に確認をとる。昨日、1が...