ルシフェル流の愛し方。

今回はコラではなくて完全に新作ネタです。
子供に間違った知識を与える悪い大人の図。
エンジェリオン関連以外で久々にまともに漫画を描きました。
デビル様を描いたのも久しぶりです。

これだけでは何なので、ちょいネタとは関係ない語りでも。
私にとっての神話構想の主役である、ルシフェルのお話です。
実を言うと、このひとに感情移入したことは一度もありません。
何というか、基本的に彼は聖人のように清い精神をお持ちだとは思うんです。大天使ですし。
でも、必要に応じて誰かを見捨てることも、大切な存在をその手にかけることも平気でする。
事実、ルシフェルはアルマロスを見捨て、今までずっと仕えていた神と敵対し、弟のミカエルを倒す作戦を立て、
長い間信頼していたイーノックをその手で殺します。しかも滅多打ち（笑）。
でも、それでもルシフェルは誰のことも憎んではいないし、周囲にも憎まれてはいないと思います。
周囲のそういった状況も含め、考えれば考えるほど不思議な男です。
そんな彼は、エンジェリオン内でも周りから奇異の目で見られています。
長い間、世界の存亡をかけて真剣に戦ってきたネザリアンやヘブンリー7にしてみれば、
いきなり出てきて場違いなほど能天気でかつ強い魔王デビルは、はっきり言って「なにこいつ」です。
デビルにしてみれば「大丈夫だ問題ない」な状況でも、周囲には全く大丈夫ではないように見える。
見ている世界が違うというか、目指すところが違うというか、とにかく理解できない。
記憶を取り戻した彼の精神状態は、神にかなり近いと思います。
色々な思惑やら優しさやらが邪魔して、神ほど思い切ったことはできないので、完全に神と同レベルとは言い難いのですが。
そういうひとだから愛情表現もどこかおかしいのです。
イーノックの鎧を身にまとい、幸せそうに微笑む姿は、ある意味、恋人を刺し殺し、彼のためにウェディングドレスを着てはしゃぐ女性のような、そんな狂気を感じます。
「似合うか？イーノック」とか虚空に向かって無邪気に笑ったかと思えば振り返ったら真っ赤に染まってるとか（笑）。
神に対しても、あれだけ酷い仕打ちを受けても許すとか、聖人君子とかそういうレベルではないと思います。

精神レベルが上にかっ飛びすぎて、共感できたらただのやばいひと、というのが彼に対する私の見解です。
そんな彼のことを本当に理解できるのは、神くらいではないでしょうか。
近いところにいたイーノックはもういませんし、イゾメロンちゃんもどうだか不明です。
彼女に関しては、惚れた弱みでデビルの方から歩み寄りそうな気がします。
イゾメロンちゃんのかわいいわがままに、でれっでれでつき合うデビル様とか早く見たいです（笑）。
ミカエルは、「兄さんのことを理解したいと思っている」とか言ってる時点で大してわかっていないと思います。
セタミカエルはひょっとしたらイーノックより近かったかもしれませんが、リュタミカはだめかな。
兄と弟の距離、なにげに遠し。
アザゼルことベルゼバブは許容はしているものの表に出す気配はなし・
地獄勢でデビルを理解している……というか、彼の扱いを最も心得ているのはアスタロトなのかもしれません。
変なところでオチがつきました。彼の話をするのは、とても楽しいですね。